シナリオ:しまっちゃうお兄さん

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兵部:じゃあ早速やっていこうか。
皆本:……ああ。
兵部:キャラクターシート作ってきたよね? 見せて。
皆本:ああ。言われたとおりにやってきたがこれでいいのか?

兵部:……これまた極端に数値がぶれたね。DEXもSIZも高いのにCONが7?
皆本:悪いか!
兵部:誰も悪いとは言ってないだろ。
兵部:で、どんな人物?
皆本:そうだな。恵まれた体格と知力を生かそうと自衛隊に入ったが、厳しい訓練に耐えきれずに断念。会社員を目指そうにも見た目の厳つさと外見から誤解ばかりかけられ、仕方なくこれまでの経験と知識を生かそうと探偵を始めた…といったところかな。
兵部:で、折角の依頼人からも見た目で誤解されてなかなか仕事が入らない?
皆本:仕方なく日雇いのバイトをしながら生計を立ててる。他の職業も考えたが、どれも上手くいかなくて。
兵部:《投擲》と《拳銃》は過去の経験か。それにしても《応急手当》が低いな?
皆本:……誰も手当させてくれなくてな。
兵部:ああ……。

兵部:よし、始めよう。シナリオは「しまっちゃうお兄さん」だ
皆本:……今更だがこの探索者でよかったのか?
兵部:君のRPに期待しているよ。あ。そういえばこの探索者に仲のいい同性の友人はいるかい?
皆本:そりゃいるだろ。……多分。



KP:その日、前園の元に一人の依頼者がやってくるが、見た目の厳つさに驚き逃げられてしまう。いつものこととはいえ溜息が禁じ得ないながらも前園はスーツから作業着へと着替え、日雇いのバイトに向かう。
KP:無事にバイトを終えて帰る頃には深夜を回っていたが、いつものこと。疲れた体をベッドに横たえ、前園は意識を落とす。
前園:「……明日の依頼者は逃げないといいなぁ」
KP:《幸運》振っておく?
前園:いや、いい。
KP:眠りに落ちてしばらくの後。前園はふっと目を覚ます。
前園:「なんだ……もう朝か?」
KP:前園が目覚めたのは自室ではない、見知らぬ場所だった。
KP:ベッドで眠っていたはずの体は何故かソファに座っていた。身につけているのは白いシャツ1枚。腕をロープで縛られ、左手は片輪の手錠で拘束されている。
前園:「誘拐、か……? 俺を? いやそれよりもなんで俺はシャツだけしか着ていないんだ? ほかの服はどこだ」と辺りを見渡しながら左腕の手錠を引っ張る。
KP:周囲を見渡していた前園は手錠の先につながるロープが壁に打ち込まれた楔と頑丈に繋がっていることに気付く。引っ張った程度ではどうにもならないことはすぐにわかった。
KP:じゃあ、ここで《幸運》振ってみようか。
前園:(1D100<=45)→26→成功
KP:チッ。
前園:何の舌打ちだそれは! で? 成功したんだが。
KP:……オメデトウ。前園は下着は履いているらしい。



皆本:……は?
兵部:前園が下着は履いていたことに安堵していると
皆本:いやいや待て待て待て。その確認のために振らせたのか?
兵部:そうだけど?
皆本:…………続けてくれ。



KP:前園が下着は履いていたことに安堵していると、まるでその様子をどこからか見ていたようなタイミングでテレビが突然つく。
KP:映し出されていたのはフードのついた黒いローブを纏い、不気味な仮面を付けた人間。《それ》は耳障りな機械音声で笑い、こう言った。
???:「やぁ、お目覚めかな。私のいい男。┌(┌^o^)┐ホテル♂へようこそ」
前園:んん゙っ!? 「……すまない。よく聞き取れなかったんだが、ここはどこだ?」
???:「┌(┌^o^)┐ホテル♂、だよ。私のいい男。ぼんやりとしたその表情も可愛いね」
前園:「くだらん遊びに付き合ってる暇はないんだ。とっとと俺を解放しろ」
???:「ああ、そんな可愛い目で見ないでくれ。私のビッグサンダーマウンテンがスプラッシュマウンテンしてしまいそうだ。だが私も鬼じゃない。君の願いは叶えてあげたい」
前園:「じゃあ」
???:「だから私とゲイムをしよう。君が勝ったらここから無事に出ることができる。だが君が負ければ、君のイッツアスモールワールドは私の物だ」
前園:「さっきからまるで意味がわからんぞ……。とにかく、ゲームをして勝てばいいんだな」
???:「素晴らしい勇ましさだ。君とキャッスルカルーセルするのが楽しみだよ!」
KP:不気味に笑い出す男の声を聞いていると、突然電光タイマーが数字を表示する。表示された数字は《3:00》。つまり3分だね。
前園:何の持ち時間だ?
KP:それはこれから。
KP:奇妙な事件に巻き込まれた恐怖により、SAN値チェック。0/1D3で。
前園:むしろお前の平然としたRPに僕は慄いてるんだが。
KP:ん? SANチェックおかわり? 欲しがりだなぁ。
前園:そんなことひとっことも言ってねぇよっ!?
前園:(1D100<=45)→54→失敗
前園:(1D3)→1
KP:逃げられ人が離れていくことばかりに慣れていたから好意を持って寄ってくるのが逆に気持ち悪い、と前園は思ってるね。
前園:勝手に人間不信設定付け加えるなよ!
???:「まずは君のパワーを見せてもらおう。ロープを解いてごらん。私は激しいプレイが好みだ」
KP:じゃあ頑張ってロープ解いてね。制限時間はさっきも言ったように3分。
前園:「ごちゃごちゃと何を言われているのかはさっぱり理解できんが、とりあえずロープだ」
前園:(1D100<=30)→55→失敗
前園:「くそっ」
KP:もう一回?
前園:もう一回だ。
前園:(1D100<=30)→29→成功。
KP:どうにかロープが解けたね。
前園:「よし。さっきは動揺してうまく解けなかったが、今度は成功だ」
KP:ロープが解けたのを見届けて、テレビから拍手の音がする。
???:「おめでとう。次は君のテクニックを見せてもらおうか。ポケットにある針金で手錠を外してごらん。私はテクニシャンが好みだ」
前園:「随分と親切だな」ポケット……はシャツだから胸ポケットか。あるのか?
KP:あるよ。前園は無事に胸ポケットに入れられた針金を見つけるね。
前園:「次は手錠か……」
前園:(1D100<=50)→83→失敗
前園:「む……、細かい作業は苦手なんだ」
KP:……ああ。SIZ大きいからね。
前園:もう一回いいか?
KP:何度でもどうぞ。
前園:(1D100<=50)→75→失敗
前園:「……どうなっているんだ、これは」
前園:(1D100<=50)→9→成功
前園:「やれやれ、これで手こずるなら今後大丈夫だろうか……」
???:「ああ、なんていやらしい鎖骨だ。シャツの上からでもはっきりとわかるほどに隆起した上腕二頭筋。うっすらと伝い落ちる汗に張りついたシャツがなんともけしからん」
前園:「おまけに妙な寒気まで感じる始末……。早くここから出よう」
KP:前園の呟きに重なるように鉄の扉のある方からカチャンと鍵の開く音が聞こえた。
???:「おめでとう。第1ステージクリアだ。奥の扉を開けるといい」
前園:「待て、第1だと? まだ他にもあるのか」
???:「簡単に出してくれると思ったのかい? 君は可愛いな。折角君とゲイムするのだから1ラウンドだけじゃ物足りないだろう?」
前園:「ゲームの間俺はずっとこの格好なのか。何か服は……」
???:「ナニを隠す必要がある? 恥じらう君を見ているとエレクトリカルパレードしてしまいそうだ」
???:「おっと、君とハニーハントしているのも楽しいが、君のために用意したゲイムが無駄になってしまう。……君には媚薬を注射してある。1時間後には私を求め、縋るようになるよ。でも私にも良心がないわけじゃない。中和剤は用意してある。だがどこかは言えない。トロトロに蕩け、乱れて浅ましく腰を振る前に飲めば君の勝ちだ。ほら――イけよ」
前園:蒼褪めた顔を気持ち悪そうに歪めながら無言で部屋を出る、かな。一秒でもこの部屋にいたくない。
KP:足早に前園は部屋を出ようとして、ドアノブに手をかけたときに背後から話しかけられるぜ。
前園:じゃあ、一応警戒して振り向く。
???:「私は一番いい席で君の活躍を見つめているよ」



兵部:さて、どうする?
皆本:そうだな……。そういや部屋を調べていなかったか。この部屋を出てから戻ってくることはできるのか?
兵部:戻れないよ。
皆本:うーん、だったら念のために部屋を調べるか……。何かを武器にできるならそれも持っていきたいし。
兵部:じゃあ部屋を調べる、でいい?
皆本:ああ。それで頼む。
兵部:それじゃあ《目星》で振ってもらおうかな。
皆本:(1D100<=50)→58→失敗
兵部:……君、さっきから絶対最初に失敗するね?
皆本:う、うるさい! 僕だって好きで失敗してないんだ!



KP:じゃあ前園は部屋を見渡してみるけどやっぱり知らない部屋だ、としかわからない。お世辞にも清潔とは言えない部屋。ランプがあるお陰で部屋は明るいが、それだけでもある。
前園:テレビにはまだヤツが映ってるのか?
KP:楽しそうに君の様子を見守ってるね。
前園:んー、ならもうこの部屋はいいかな。
KP:そう? じゃあ部屋を出る前に《幸運》振ってみようか。
前園:うん? ここでか?
前園:(1D100<=45)→18→成功
KP:《幸運》は失敗しないんだよなぁ……。チッ。
前園:なんだよその失敗してほしかったみたいな言い方は。あと舌打ちすんな。
KP:部屋を出る?
前園:出る。が、その前に扉に《聞き耳》で。
KP:どうぞ。
前園:(1D100<=50)→54→失敗
前園:……どうしてこうなる。
KP:あっははっ。《目星》も振っておく?
前園:いや、やめとく。
KP:それじゃあ……。前園は扉の向こうに耳を澄ませてみるが、扉に阻まれているのか、何も聞こえない。
KP:ああ、扉は普通に開くよ。
前園:「やれやれ。さっさと次の部屋に行くか」
KP:扉を開けると、その先には狭い通路。その先に扉が見える。
前園:そのまま次の扉を開けるぞ。
KP:扉はすんなりと開き、前園を迎え入れる。だが部屋に入った途端、扉はひとりでに閉まり、鍵の落ちる音がした。
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